不動産会社の選定

おさらい

  • 現在はマンション暮らし
  • ローン残債はまだ2000万以上
  • 夫婦二人とも浪費・豪遊好き
  • 収入合算は税込1100万ほど。
  • 貯蓄は1300万、うち教育目的に500万
  • 二人の子供の将来を考え、戸建購入を決意
  • ホームページの雰囲気の良かったA社に飛び込みで話を伺う
  • A社の担当者である桔平は、堅物そうな40代後半の男。

 

私たちの希望(とりあえず)

  • 車2台(SUVとセダン)の駐車スペース
  • キッチンの充実。
  • 広いLDKに一人一部屋
  • 個室が5部屋

桔平(A社営業マン)の反応

何よりもまず、資金ショートを起こさないこと、そして、手持ちの資金や将来にわたって支払い続ける負担の度合いなどを主張してきた。どこを見ても安心のできるスキのないきちんとした計算である。そして、私たちの(現実離れした)希望を遠回しに否定し、不可能なことであることを知らしめてくる。

 


したがって、桔平は信用のできる営業マンである。

 

しかし、一方で私たちの新築に対する希望を聞く気配があまりない。ただの売却作業を淡々と進めていくのみに見受けられる。


新築は、一生に一回の夢の実現である。私たち夫婦は、夢のマイホームに対して、たくさんの理想を持っている。その理想を共有してくれるような営業マンでなければ、心を割って話すことは難しい。例えば、きちんとした個室が5部屋ほしい、という理想に対して、完全独立した5部屋は無理でも、別の提案をしてくる姿勢はほしかった
。個室がほしい、ということはつまり、私の家族は、たとえば1階から2階の個室の様子が伺える、あるいはその逆といったオープンな感じのするスタイルは好きではないのだ。どちらかといえばそれぞれが趣味ややりたいことに没頭する静かな空間を求めているのだ。したがって、静かに没頭できる密室空間が、たとえ2畳であったとしても、用意されていれば妥協できるのだ。そういった、ユーザーの願いに寄り添う姿勢は見られない。


社会人として、信用されることは最低限のことである。約束を守る、時間を守り、法を遵守する、礼儀を持ち、節度をわきまえるといったことは、当たり前のことである。いやむしろ、当たり前のことすらできていない人が多い現代社会において、信用できる人は貴重かもしれない。しかし、私たち夫婦は、そんな当たり前のことを求めているのではない。何千万ものローンを組むことで、これからのライフスタイルや、老後の生活まで影響してくるような重い決定をしようとしているのだ。信用できるだけでなく、信頼したくなるような営業マンであってほしいのだ。

 

したがって、A社で話を進めることはやめることにして、建築事務所であるB社の門を叩いた。いや、実はここで大手ハウスメーカーも含
めると10社以上から話を聞いたのだが、どれも語るに値しないところばかりであった。この部分については割愛する。